Alpes Lasers_Room Temperature CW Frequency Comb Laser
Alpes Lasers社 光周波数コム型CWレーザー
Alpes Lasers社の光周波数コム型量子カスケードレーザー(以下QCL)は、スペクトルが離散的で等間隔に並んだ周波数線から放射するレーザーです。これらのピーク間の距離は一定であり、通常は超短パルス列のパルス繰り返し周波数によって決まるため、周波数コム分光法における周波数領域の定規として使用できます。
中赤外域では、特別に設計された光分散をQCLが、広帯域で強力な光周波数コムを放射することが実証されています。超短パルスレーザーの場合、QCLコムのモード間隔は共振器長によって決まります。しかしQCLの場合、時間領域における周期変調はAMではなくFM型であり、出力は一定です。
光周波数コム型QCLは現在、中心波長6.02μmまたは7.27μmのものをご案内しており、その他の波長については、特注品としてご案内できる場合があります。
ブロードゲインレーザーは、広く平坦な利得スペクトルを有し、周波数コムとしての動作に適しています。コム動作が可能な動作範囲はヘテロ構造の微細構造に非常に敏感であるため、各QCLコムは試験と品質保証を受けています。
QCLコムは、他のコム技術とは異なり、ポンプレーザーとマイクロキャビティを導波路内に統合しているため、独立型デバイスです。これにより、非常にコンパクトなコム光源となっています。QCL技術をベースとしているため、コムデバイスは中波赤外および長波赤外の全波長域で製造可能です。
デュアルコム分光法は、サンプルコムと局部発振器(LO)コムという2つのOFC(光周波数コム)を使用し、コム間隔はわずかに異なります。2つのコムのヘテロダインビートスペクトルは、上図に示すように、RF領域におけるレーザーの光スペクトルをマッピングする等間隔のピークで構成されます。
同様の技術は標準的なファブリ・ペローQCLを用いても実証されていますが、コム領域で動作するQCLのモード間ビート線幅ははるかに狭いため、光検出器のRF帯域幅内ではるかに多くのビート音を積み重ねることができ、結果として分解能の向上やスペクトル帯域幅の拡大が実現します。
最終的に、スペクトル分解能 (=フィネス; 干渉縞の鮮鋭さを表す量)とキャリアオフセット安定性は、チップではなく、周波数コムで使用されるドライバによって左右されます。
QCLベースのデュアルコム分光法は、数十cm⁻¹という広いスペクトル範囲にわたり、マイクロ秒オーダーという非常に短い取得時間、すなわち準リアルタイムで高分解能スペクトルを取得する可能性を提供します。この技術は、DFB-QCLの利点(狭線幅とモードホップフリーのチューニング)と、外部共振器型QCLの広い波長範囲を融合しています。
製品仕様例
パラメータ | 最小値 | 平均値 | 最大値 |
中心波長(μm) | - | 6.02 | - |
出力(mW) | 50 | 150 | 200mW |
光周波数スパン(cm⁻¹) | 40 | 50 | 200 |
掃引速度 / チューニング電流値(MHz / mA) | 250 | ||
掃引速度 / チューニング温度(K⁻¹) | 7.00E-005 | 7.00E-005 | 8.00E-005 |
コム数 | 80 | 150 | 200 |
モード間ビート周波数(GHz) | 7.5 | 10 | 14.77 |
FM変調カットオフ周波数(kHz) | 10 | 20 | 50 |
動作電流(mA) | 600 | 800 | 1800 |
動作温度(℃) | -20 | 0 | 20 |
動作モード | CW | ||
消費電力(W) | 5 | 10 | 15 |
資料 | データシート(6.02μm) |