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製品の取り扱い注意
1. 圧電セラミック素子の取り扱い
 圧電セラミック素子は硬くもろく、ちょっとした不注意によりこわれやすいため慎重に取り扱って下さい。
 - 複数のコンポーネントがぶつかり合わないよう、コンポーネントを別々の緩衝材で保護してください。
 - コンポーネントの取り扱いにリード線を持って運ばないでください。
 - コンポーネントを組み込む作業のさい、作業台の上にゴムマット等を敷いて下さい。
2. はんだ付け作業上の注意
 はんだ材料: はんだは銀を含有したはんだをご使用下さい。高真空で使用される 96SC (Tin/Silver/Copper)材で、フラックス(Flux type Crystal 400)を使用しているタイプを推奨いたします。
 はんだ付け手順:
  1. 接続するリード線は予備はんだを施して下さい。
  2. 素子のAg-電極の表面はガラスブラシで掃除し酸化層を取り除きます。
  3. はんだこては温度設定が可能なタイプを使用し温度285度にセットします。
  4. はんだこてに少量のはんだを溶かしAg-電極の表面に 1秒ほどあてる。表面のはんだが溶けてきたら更にはんだを供給し、電極表面に丸く盛る。
  5. 溶けたはんだに先ほど用意したリード線を差し込みはんだを完了する。
  6. 必要であればさらにはんだを補充する。
3. 接着による素子の固定

素子を基板に接着する場合、接着層を出来る限り薄くすることが肝要です。接着剤が乾き安定するまで 2〜5MPa程度の力でしっかりと押さえます。接着剤はエポキシ系接着剤が最適です。また電極への配線は、はんだ付け以外にも導電性接着剤を使うことが出来ます。この場合柔軟性のある接着剤をお使いください。もし必要であればノリアックにご連絡下さい。貴社のアプリケーションに適した接着剤の選択をサポートいたします。

4. メカニカルコネクション

銅製のスプリング等を使って、素子の外部電極に機械的に接続することも可能です。この場合酸化し難い材料、例えば金メッキした材料をご使用下さい。

5. よくある失敗例
  1. 自己発熱と熱暴走
    圧電性材料にはわずかではありますが誘電損失があるため、駆動周波数が高い場合は自己発熱が無視できなくなります。早い繰り返しのアプリケーションで、しかも高い電界を必要とするアプリケションにおいては、ピエゾ素子の温度をモニターし、温度がそのセラミックグレードの最大使用温度を超えないよう配慮が必要です
  2. スパイク電圧の混入
    駆動電気信号にノイズ等、高速に変化する電気信号が混入した場合、ピエゾ素子はこれに応答し大きな加速力を引き起こします。このときプリロードシステム (予備負荷)がこれを完全に補うことができない場合があります。結果は、セラミックの構造の崩壊とか、層の剥離を引き起こしアクチュエータを破損してしまいます。このような事象を防ぐため、ドライバーエレクトロニクスには適当な保護回路を設けて下さい。
  3. 湿度
    ビエゾ素子の駆動は比較的高電圧を使うため、湿度が高い環境でのご使用では電気絶縁に十分配慮して下さい。必要であればお問い合わせ下さい。適切なアドバイスをいたします。
  4. 不十分なプリロード (予備負荷)
    ピエゾアクチュエータは、引張応力に対しては非常に弱い構造をしていて、容易に層の剥離破壊につながります。ノリアックでは、最小の 10MPa のプロードを適用することを勧めます。ダイナミックなアプリケーションでは、アクチュエータがいかなる条件下に置かれた場合でも、常に圧縮力が掛るようプリロード圧を設計して下さい。
6. 補足注意事項
  1. 納入した製品で、ロットによりのセラミックスの色が違うことがありますが性能には関係ありません。
  2. 若干の電極材料の出っ張りがある製品があります。
  3. 製造過程 または製品の取り扱い過程で、エンドプレートに若干の欠損がある製品が発生することがありますが、性能には支障はありません。
    7. CMA(Ceramic Maltilayer Acuator) SCMA(Stacked Ceramic Maltilayer Acuator)

    CMAとSCMAは通常、取り付けに必要な平坦で平行な表面を得るために上下の表面(分極方向に垂直な方向)で粗研磨されています。CMAとSCMAは機械的に挟み込むか、または接着固定をして使います。以下に素子を取り付け際の推薦方法を述べます。取り付け方法に誤りがあると素子の内部にストレスが掛り、素子にヒビがはいり如いては素子の破壊へとつながります。

    (素子の取り付け)
    @ CMAとSCMAには絶対に縦方向の押す力以外かからないようにして下さい。傾きまたは煎断応力がかからないようにして下さい。
    A CMAとSCMAはプリロードがない場合、張力に対してはほとんど対抗できません。ピエゾアクチュエータの性能を発揮するには必ずプリロード機構を設けて下さい。
    B 負荷はアクチュエータの荷重面全体に均一してかかるよう配慮して下さい。
    C CMAに接する材料は、電極間のショートを避けるため非導電物質を使うことをお勧めします。基盤とアクチュエータの間に絶縁幕またはセラミック板を挿入することで絶縁できます。
    D アクチュエータの性能をフルに発揮するため、素子の側面をクランプしたり接着しないで下さい。
    (外部電極)
    + 電極は黒いドットで示しています。標準仕様では、外部に接続する電極は銀のスクリーンプリント電極です。他の電極、金、スパッターで作成した Cr/Ni/Au 電極も特注にて作成いたします。電極への接続は、機械式ドンタクト、はんだ、導電性接着剤による接着、ボンディング等があります。
    8. CMB-P(Ceramic Maltilayer Bender - Plate)
    CMB-Pの電圧制御方式
    @ シングルサイド電圧制御
    このモードは、素子の片面だけを使ってベンディグ制御するモードです。極性を示した黒いドットに対し上方向のみベンディングします。
    A 差動電圧制御
    差動モードでは素子の両面を使って駆動するため、上下両側にベンンディングします。
    素子の取り付け
    CMBの取り付けは、機械的なクランプ、または接着剤を使った固定方法があります。CMBはCMAと違って、上下表面の機械加工がされていません。従って多少の表面凹凸があります。この理由で、クランプ固定する際は、ブロッキング力の約5倍ほどの力で機械的な固定をして下さい。
    素子の取り付け
    接着による取り付けでは、接着面がベンダーの活性部分にまで覆い、ベンダーのストロークを阻害しないよう配慮して下さい。
    プレートベンダ (板状)の2箇所固定
    CMB-Pは、素子の両端を固定 (ダブルクランプ取り付け)して使うことが出来ます。ダブルクランプ取り付け構成では、CMB-Pは前述の片取り付けに比べ 4倍のブロッキング力が得られますが変位は1/4となります。
    機械的なクランプ力は、ブロッキング力の約5倍程度とし、クランピングする幅は極力小さな値 (約1mm)で固定して下さい。下図にクランピング例を示します。
    接着による固定も出来ます。接着剤は、エポキシ系接着剤をご使用下さい。プレートのベンダーの取り付けにはリード線の柔軟性を必要とし、エポキシ系接着剤には軟性があり素子の固定に適しています。
    ベンダーの性能劣化を避けるために、素子の取り付けはと締め付け装置との接触面を最小にするべきです。
    商品に関するお問い合わせ、その他ご質問・御要望は → 株式会社キーストンインターナショナル
    <Keystone Int'l, 2/17/2006>