用語集
 赤外線ディテクターの性能を表す用語には、一般的でない専門用語が多く使われていて、そのためディテクターの理解をより困難にしております。ここではそれらの用語をなるべく簡単に説明致します。より専門的な事柄は、他の文献などでお調べ下さい。ここでは初歩的な解説のみ掲示いたします。
バックグラウンド電流 (IBG)
光起電力型ディテクター(PV)において、バックグラウンド放射によって発生したDC電流。低インピーダンス負荷の両端にて測定。

バイアス電流 (IB)
適切な動作条件を得る(伝導率の変化を検出する)ため、光伝導型ディテクター(PC)に流す一定の電流。

黒体 (BB)
放射率 Wが Stefan-Boltzmann法に従う理想的な発光体。 関係は以下に示します。

BLIP
D*が、本質的なディテクターの雑音によって制限されるのではなく、バックグラウンド放射からの光子に関連づけられる雑音によって制限されるとき、ディテクターはBLIP(バックグラウンド制限)として参照されます

カットオフ周波数(fc)
次のように時定数関係します。: fc = 1/2πτ

カットオフ波長(λco)
ディテクターの感度が、ピーク感度から規定された割合落ち込んだ長波長ポイント。 通常カットオフ波長はピークから 20%または 50%の点で規定されます。

D-Star (D*)
材質の異なったディテクタータイプ間の性能比較に用いる相対感度パラメターで、D*は、1Wattの放射パワーが、1cm2のディテクターのアクティブエリアに入射した場合、特定の周波数における 1Hzの帯域幅でのSN比です。D*の値が大きければ大きい程、良いディテクターになります。
D*(cmHz1/2W-1) =  [Active Area (cm 2)]1/2 / NEP(W/Hz)1/2

暗電流 (ID)
暗中において、フォトダイオードに逆バイアスを印可した時流れるの漏れ電流で、ディテクターの検出限界を決める要因になります。また逆電流 (Reverse Current)とも呼ばれます。

FOV(Field of View)
視野角でデュアー瓶等にマウントされたデタクターの開口角度で表します。視野はバックグラウンド放射に関係し、D*に大きな影響があります。

ジョンソン(熱)雑音
ゼロバイアスにおいて PVモード動作の光ダイオードは、そのシャント抵抗(RD)によるジョンソン雑音電流を発生します。  i2 = 4KT冉 / RD  ここで Kはボルツマン定数、Tは絶対温度、冉は雑音測定帯域幅であり、RDはディテクターのシャント抵抗です。

接合容量(CD)
光起電力型ディテクターでは、p-n接合部にディテクターのアクティブサイズに比例した接合静電容量が存在します。

最大逆耐電圧(VR)
光起電力型ディテクターでは、p-n接合部に逆バイアスを掛ける電圧には眼界があり、この電圧を越すとデバイスを破損する結果になります。

NEP(入力換算ノイズ電力)
ディテクターの出力の SN比が 1になる時の入射射パワーで、特定のチョップ周期、波長および有効な雑音帯域幅に関して定義されています。
NEP @λp=Noise(A/Hz1/2)/ Responsivity @ λp (/W)

開放電圧(Voc)
高インピーダンス負荷に接続された光起電力型ディテクターで発生したDC電圧。

光伝導型ディテクター(PC)
光子ディテクターの一種で、入射光によるその伝導率の変化を利用します。

光起電力型ディテクター(PV)
入射光パワーを直接電流に変える p-nまたはp-i-n構造を持った光子ディテクター。またフォトダイオードとも呼ばれます。

感度(R)
特定の波長における、単位入射光量に対するディテクターのフォトカレント(または電圧)で、単位として 電流/ワット(またはボルト/ワット)で表されます。

ショットノイズ
ランダムに発生するダイオード電流をショットノイズ(Shot Noise)と呼んでいます。
i2 = 2qI冉
ここで Iは総電流、qは電荷、冉は雑音帯域幅です。

シャント抵抗(RD)
暗中 ゼロバイアス条件下で、フォトダイオードの端子間で測定される光ダイオードの抵抗です。RDは電流-電圧特性におけるゼロボルトバイア時のスロープの傾き dV/dlです。また、ダイナミックインピーダンスとも呼ばれます。

時定数(t)
入射光が変化した時、ディテクターの出力信号が最終的な値の63%に達するのに要する時間で、以下の通りカットオフ周波数(fc)に関連しています。:
τ = 1/21πfc

より詳しい内容は、外部リンク ジャドソン社ホームページ(英文) も合わせてご参照下さい。